日本人なら誰もがその名前を知っている、オロナイン。家に常備している方も多いのではないのでしょうか。
いろんなものに効果があるイメージのあるオロナインですが、やけどに効くというのは本当なのか、調べてみました。
オロナインとは?
正式名称はオロナインH軟膏。大塚製薬が製造、販売する第2類医薬品です。1953年から発売され、今もなお人気のロングセラー商品です。
ひび、あかぎれ、すりきず、きりきず、ニキビ、吹き出物、軽いやけど、水虫に効果があります。
一般のママたちが使ってよかった商品を選出する、「第12回マザーズセレクション対象2020」を受賞したこともあり、家族そろって使える常備薬として人気が高いようです。
オロナインの主成分は?
オロナインの主成分は、以下の通りです。
「有効成分は、クロルヘキシジングルコン酸塩液です。
添加物として ラウロマクロゴール、プリソルベート80、硫酸AI/K、マクロゴール、
グリセリン、オリーブ油、ステアリルアルコール、サラシミツロウ、ワセリン、
自己乳化型ステアリン酸グリセリル、香料、精製水を含有します。」
引用 オロナインH軟膏 添付文書
https://www.otsuka.co.jp/ohn/pdf/instruction_jp.pdf
クロルヘキシジングルコン酸塩液は殺菌・消毒薬として使われる成分です。この成分が傷口を殺菌し、その後も持続的に抗菌作用を発揮してくれるので、やけど後の炎症を防げるということなんですね。
オロナインをやけど治療に使っていいの?
成分的にはやけどの治療に効果がありそうですが、はたして本当に使ってもいいのでしょうか。大塚製薬はオロナインの公式サイトでこのように説明しています。
「軽いやけどの場合は、オロナインH軟膏を少量かるくすりこんでください。化膿を防ぎます。」
「軽いやけどの場合は、幹部に塗ってガーゼを当ててください。」
引用 オロナインH軟膏 公式サイト
https://www.otsuka.co.jp/ohn/case/karuiyakedo.html
ちなみに、公式サイトには記載がありませんでしたが、やけどをした際の最初の処置は水道水で冷やすことです。しばらく冷やしたあとにオロナインを使用するようにしましょう。
そもそも、やけどとは?
オロナインを塗ってもいい「軽いやけど」とはどのようなやけどなのでしょうか?そもそもやけどには深さの段階があります。
【Ⅰ度】 表皮まで 赤くなるだけで水膨れではない
【Ⅱ度】 真皮まで 水ぶくれができヒリヒリ
【Ⅲ度】 皮下組織まで障害が及ぶ
白くなったり炭のように黒くなったり
神経まで損傷しているので痛みがない
オロナインを使ってよい「軽いやけど」とはⅠ度のことなのでしょうか?
大塚製薬は「Ⅰ度のやけどに使用できる」とは明言しておらず、あくまで「軽いやけどに使用」するようにと説明しています。
水疱ができるⅡ度の状態でオロナインを塗ってしまうと、その後の治療に支障をきたす場合がありますので、オロナインに限らず自己判断で市販薬を塗らない方が良いでしょう。
やけどの度合いが分からず、オロナインの使用を悩んでいる場合は、医師の判断を仰ぐようにしましょう。
また、「低温やけど」という言葉をよく耳にしますよね。低温やけどとは、体温より少し高い温度で、長時間かけてじっくり真皮、皮下組織まで損傷してしまうやけどのことをいいます。
カイロやコタツなどで引き起こす場合が多いとされています。低温やけどは普通のやけどよりも重症な場合が多く、市販薬を塗らずにすぐに病院へ連絡をしましょう。
その際応急処置の指示も受けるようにしましょう。
オロナインを塗った後にラップを巻くと良い?
オロナインを塗った後は、ガーゼで傷を保護する、もしくは絆創膏も通気性吸水性が同じなので代用できますね。
一方でラップを巻くと効果的、という見解も昔はありました。
ラップは通気性がない上に吸水性もないため、最近増殖リスクがあるので、やけどに使うことはやめたほうがいいでしょう。
しかし、キズパワーパッドのように「湿潤療法」といって、通気性をなくし湿度を保って治癒を促す新しい療法があります。
傷跡がきれいになるというメリットがあり、キズパワーパッドも現在では当たり前のように家庭で常備されるまで人気になりましたよね。
この湿潤療法は、最近やけど治療においても効果を発揮し人気を得ています。しかし、どの程度の湿潤状態にするかなどは、医師の判断を仰いだほうが良いため、自己判断で湿潤療法を行うのはやめましょう。
オロナインをやけどに塗った効果は?
先述の通り、やけどには段階があります。
オロナインを「軽いやけど」にのみ使用すれば、有効成分が殺菌・消毒効果を発揮するため、やけどの傷が炎症・化膿を引き起こすことを予防してくれます。
そういう意味ではオロナインはやけどに効果があると言えます。
しかし水疱ができているやけどや、低温やけどに使用してしまうと、状態を悪化させたり治癒の妨げになったりするので、やけどの程度の判断には十分気を付け、不安であれば医師の判断を仰ぎましょう。
まとめ
軽いやけどの治療に効果があるとされるオロナイン。幅広い皮膚トラブルに使える常備薬として身近な商品ですよね。
「あ!」と思わぬやけどをしたときに、家にあったらとても便利です。
オロナインをやけどの傷に塗ることによって、感染症を併発するリスクも抑えられますし、なにより身近な常備薬で手軽に治療できるのはメリットですよね。
しかし、やけどの中には時間が経ってから水疱ができてしまうパターンもあり、その重症度合いを判断するのは素人目では難しいです。迷った場合はやはり、自己判断せずに病院を受診するようにしましょう。