Twitterで知り合った人100人と話すという活動「見習い執事のティータイム」はついに今回で61人目を迎えました。以前お話ししたカズにゃんさんの記事を読んでいただけたらしく、「私も記事にしてほしい!」とご依頼を頂いたわけです。
今回の対談で用いたのはZOOM。ミーティングの参加リンクを送ると、あっという間に入室して待機していただけていたので驚きました!きっとDMに張り付いていてくださったに違いない…!
ZOOM特有のムダに偉そうな「ミーティングへの参加を許可」というボタンを押すと聞こえてきたのは…
K君のお母さん!?僕の幼馴染で地方の大学に進学したあのK君のお母さんの声じゃないか!いつもお世話になっています!
……いや違う!この関西なまり、K君のお母さんじゃない!
対談スタート!Masudaさんの第一印象は!?
という茶番はほどほどにして、第一印象はまさに「友達のお母さん」。本当にそんな印象を受けるんですよね。自身の優しさが溢れていながら、お母さんが持っている、あの酸いも甘いも噛み分けた特有の芯の強さも感じる。そんな雰囲気の持ち主でした。
しかし、お話し開始からものの5分で僕はいい意味でギャップを痛感することになります。穏やかな口調からジョークがバンバン出てくるんです!快活に笑うMasudaさんのなんと話しやすいことか!
話の中で、いかに笑いを入れようかと考えています。ほとんど芸人ですね(笑)
そんなMasudaさんは「保育アドバイザー」兼「ペアトレトレーナー」。保育士の方々へのアドバイスや、主に発達障害を持つお子さんのお父さん・お母さんの悩みを解決する講師なんです!
彼女のユーモア溢れる講演は大人気で、「ぜひ今年も来てください!」と毎年呼ばれるところもあるんですって!
お仕事を調査!「保育アドバイザー」って?
「保育アドバイザー」という職業はMasudaさんのオリジナルとのこと。こんなことは考えたくないですが、本当にちゃんとしたお仕事をしているのかな…?僕のこんな失礼な疑問にも、丁寧に答えてくれました。
Masudaさんは保育アドバイザーとして、自身の知識と経験を活かして保育を仕事にしている方へアドバイスをしていらっしゃるとのこと。現在は四つの園にて依頼を受け、保育士さんの仕事ぶりを自身の目で見ながらアドバイスをされているんです。
現場での第三者目線のアドバイスは敬遠されがち。大抵の人が「きっとダメ出しされるんだろうな」と警戒し、心を閉ざしてしまうはずです。しかし、ここでMasudaさんは予想外の行動をするというのです。
その先生のいいところをね、100個も箇条書きにしちゃうんですよ♪
「なんだ、100個か…100個も!?」思わずノリツッコミが入ってしまいました。頭の中で「ここでノリツッコミ。C難度。」と新体操の実況が入ります。
Masudaさん曰く、何度かあるアドバイスのうちの1回目は先生の子供への接し方や言葉がけをとにかくほめちぎるとのこと。思わず保育士さんも拍子抜けしちゃうんですって。
「悪いところの中にも絶対にいいところがある」というのがMasudaさんの考えで、「こんなに褒められるんだ」の中に2%、「こういう風にしてみたら」と、アドバイスをしてあげるとのこと。批判ではなく、助言をしてあげるわけですね!
こんなに褒められたのは初めて、と言われますね。園の雰囲気もすごく良くなるんですよ!
同じ環境でも保育士同士の関係や園の方針など、内部目線からアドバイスをするというのは難しいもの。そこに良い刺激を与えられるのが、第三者の保育アドバイザーという存在なのですね!
じゃあ「ペアトレトレーナー」って?どんなことをしているの?
では、発達障がいのある子供を持つお父さん・お母さん向けの「ペアトレトレーナー」とはどのような仕事なのでしょうか?Masudaさんはペアトレがどのようなものであるかを紹介してくださいました。
ペアトレとは「プログラムに沿って、子供との接し方をグループで学ぶ」というもの。じっとしていない・かんしゃくを起こすなどの子供の困った行動に悩む方のために、Masudaさんが解決策を伝えてあげるのです。
一方通行が嫌だから、話を引き出していきたいの。一方的に話しても満足度って高くならないでしょう?
進んで喋ってもらうために、たくさん質問を振るんですよ♪
Masudaさんは話す中で「おかあちゃんどんなしかり方してる~?」などと親しみを込めてたくさんの質問をするそう。自分の考えを伝えられることで、自分の考えを整理できるわけですね!
自分で気づかないと学びにならないでしょう?
いかにお母さんが感情的にならないで、ご機嫌に学べるかが大切なんです
また、本番を迎える前にプログラムの内容を個人個人に合わせて1週間ほどかけて話の組み立て方を考えているとのこと。このお仕事は5年目とのことですが、すごい徹底ぶりですね!
Masudaさんならこうする!プロは子供の○○に注目していた!
Masudaさんは、どのようなことを教えているのでしょうか?今回は「じっとしていられない子にどのように対応するのか」を例に見てみましょう。多くの人が、「座りなさい」と叱ってしまう中、Masudaさんはこう対応するんです。
①じっとしていられない子は、じっとしていられた時間を測る。
②前より長い時間じっとしていられたら、「前よりもじっとしていられたね!すごいね!」とほめる。
「座りなさい」ではなく、「長く座ってられたね!」とほめることで、次も頑張ろう、という気持ちになるわけですね!数字が好きな子が多いため、すごく良く効くんですって!
「じっとしていられないダメな子」というように、その子の行動を人格としてとらえてしてしまう人が多いんです。そうすると、子供は自己否定されたように感じてしまうの。
だから「その行動には必ず原因がある」というのを勉強しなきゃいけないんです♪
なるほど!これを知っていればお父さん・お母さんはその行為が起こる原因そのものを取り除いてあげることにもつながりますよね!
ちなみに、例外として「自分や人を傷つけること」に関しては絶対に叱るんですって。ダメなことははっきりと言わなくてはならないのですね!
最初は保育士になったMasudaさん。しかし初仕事で向かったのは…
去年3月まで講師業と保育士をかけもちであったMasudaさん。どうして保育士になったのかをお聞きしました。
大学生のころ、保育園の園長であった叔母の手伝いをしていたとのこと。「私は保育士になるだろうな」と感じるほどやりがいを感じたMasudaさんは、大学に通いながら保育学校に通い、保育士の夢を叶えました。しかし…
担任になって始めての仕事が「警察署に行ってきてください」だったんです。
なんと、生徒の父兄が覚せい剤を使用していたことが発覚し、「身辺の人物として警察署に事情聴取をされに行く」というのが初の仕事だったとのこと。こんなイレギュラーが起こるなんて、想像もできませんよね…。
しかし、このような出来事は珍しいことではなかったとのこと。児童虐待やパートナーに対するDV、両親が失踪し、やむを得ず児童療育施設に送らなくてはいけない、などの出来事は身近なものだったのです。
そういう人を目の当たりにして、「困っている人を助けたい」と考えるようになったんですって!
どうして講師になったの?ある一日がきっかけだった…
その後、発達障がいを持つ子どもたちの療育施設にて働き始めたMasudaさんは「子供とのかかわり方がわからない」と悩む両親の相談にのっていたそうです。
あまり明るい話ではないんですけどね…私が講師になりたいと考えたのは、ある一組の親子がきっかけなんです。
ある日、暗い顔で「相談に乗ってもらえませんか」と声をかけられたんですって。この日は職員会議があり、時間を割くのは困難でした。「今日はちょっと難しいからまた明日ね!」といつもの明るい調子で答えたMasudaさん。この時は当然、翌日にあんなことが起こるなんて誰も想像していませんでした。
次の日、なんか職場が騒がしいな~って思ったら「Masudaさん、今朝のニュース見てない…?」って。
詳しくは書けませんが、ニュースとなったこの親子は二度と元の形に戻ることはできませんでした。Masudaさんはこの出来事を経て「もうこんなことが起こってはいけない」と、自身に使命感のようなものを感じたと話しました。
おわりに
Masudaさん曰く、育児は「元気・のんき・根気」とのこと。療育も保育も子供を中心にしなければいけない都合上、自身のストレスを発散できないお父さん・お母さんや保育士がすごく多いんですって。
お母さんの不安や保育士さんの仕事はすごく増えていて、ストレスもすごく多いと思う。子供だけじゃなくて、自分自身も幸せにしてほしいなと思います。
自分のことも子供のことも大事にできるようになってほしいという願いですね。まさに「良い加減」で幸せな育児をしてほしいという、Masudaさんの優しさを感じる一言でした!
今回の記事で、彼女の魅力は伝わりましたでしょうか?今後の活動もますます楽しみですね!読んだ後は、MasudaさんのTwitterアカウントを今すぐフォローしに行きましょう!
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