【中学生向け】日本の食料自給率はどうして下がっているの?原因と背景をわかりやすく解説!

現在、日本の食料自給率は大きく低下しています。技術や機械生産が誇りである日本ですが、本国の食料を賄い切れていないという懸念点は昔から払しょくされることなく現在まで引きずってきてしまっていました。

カロリーベース(食物の熱量で食料自給率を数える方法です。日本ではこの方法で食料自給率を計算しています。)では昭和40年頃では約70%であった食料自給率が現在では約40%ほどにまで減ってしまっており、このままでは日本産の食べ物を見なくなる日が来る、といっても過言ではありません。

そこで今回は、食料自給率が低下した原因と、食料自給率が向上する対策法をわかりやすく解説していきます。

(トップ画像引用:https://pixabay.com/ja/photos/%E3%83%88%E3%83%9E%E3%83%88-%E9%87%8E%E8%8F%9C-%E9%A3%9F%E5%93%81-%E6%A0%84%E9%A4%8A-3478061/)

食料自給率が下がるとどうしてよくないの?

「食料なんて全世界で生産されているし、海外産の食材もいっぱい見かけるよ。このまま輸入に頼り続けていればいいのにどうしてよくないの?」と思うかもしれません。

実際、日本は産地ばかりで広大な農地を作るには向いておらず、輸入に頼るというのは適材適所なのかもしれません。しかし、そうしてばかりではいられないのです。

食料自給力が下がることのデメリットは「安定して食料を得ることができなくなる」という点です。

現在の日本は平和ですが、世界ではそうはいきません。今日もなお世界の各地で戦争や内紛が起こっており、いつ戦火が降ってくるかはわからない状況なのです。

戦争が起こってしまったら、その国は一番大切な食料を海外に輸出している余裕なんてありません。極端な例ですが、もし日本が1つの国に食料の輸入をすべて頼っていたら、日本は食べるものが何もなくなってしまうのです。

また、国連加盟国は戦争が起こるとその国に対して制裁を加えます。日本も国連加入国であるため、日本と関りの深い国がそうなってしまった場合、日本も制裁に加わらなくてはなりません。

嫌なことをされていい気分になる人はいないでしょう。もし戦争が終わったとしてもその国が日本にまた食料をもたらしてくれるとは限りません。主食の輸入を頼っていた国だとしたら、大変なことになってしまいます。

食料自給率が下がった原因1 日本人の食生活の変化

戦後は日本国民の食事の内容が変化し、牛肉をはじめとする肉の摂取量や脂肪分の摂取量が増えていきました。パンやハンバーガーなどの普及により、日本人のそれまでの主食であった米の消費量が下がり、小麦の輸入が増えていくようになりました。

また、肉を生産するにあたって肉となる家畜の飼育にはえさが必要になります。他国の家畜用の飼料は価格が安いため畜産農家にとっては経費節約のためにありがたい存在でした。

飼料も多くを他国からの輸入に頼ることとなりました。高度成長期の日本国民がこのような食品を好んで摂取するようになったため、実際の食料消費内容を日本国内でまかなっている割合は下がる結果となったのです。

食料自給率が下がった原因2 海外食料の輸入が活発化した

日本は貿易の自由化を求めて1955年に国際的な協定であるGATTに参加しました。この協定に参加することによって日本には他国の農産物が安い関税で日本国内に流入することになりました。

安く輸入した作物は安い価格で日本国内のお店に並ぶことになり、日本国内の農産物は安い他国の農産物と競争しなければならなくなりました。一般の消費者は安い農産物を購入することが多くなり、輸入農産物の消費量は増加していくことになります。

輸入農産物との競争に勝てないことで利益を得られなくなると国内では強い競争力を持った輸入品と同じ作物を生産しなくなり、自給率は下がっていってしまいました。

食料自給率が下がった原因3 農家さんの数が減った

高度経済成長期に入って農業従事者として労働するよりも他の仕事をしたほうがお金を稼げる時代になったため、農業をやる人たちが減ってしまいました。地方で農家として農業を営むより、都市で働く方がお金を多く安定して稼ぐことができたのです。

少ない人数で今までの成果を上げるためには効率を上げることになります。効率を上げるためには農業用の機械を導入しなければなりませんが当然お金がかかってしまいます。

農業従事者の人手を確保するためにもお金が必要になりますし、人手を確保するための費用も高くなっていきました。これらの悪循環も食料自給率の低下につながっています。

どんな対策をすればいいのかな?

「問題だね」で思考停止しているわけにはいけません。日本はこれからどのような対策をとればよいのでしょうか?

耕作放棄地を利用する

日本は国土面積は約7割を森林が占め、農地として利用できる面積が限られていることから、1人当たり農地面積は3.6aしかありません。オーストラリアの約500分の1、アメリカの約40分の1、イギリスの約8分の1、と諸外国よりかなり少ないのです。

元々小さい日本の農地面積ですが、近年は宅地等への転用や耕作放棄地の増加により、農地面積が最大であった昭和36年に比べて約25%減少していると言われています。限られた農地を使うために、耕作放棄地を蘇らせる取り組みがなされてます。

地産地消を心がける

私たちが住んでいる地域にはそれぞれ、その土地の気候・地形等の環境に適した食べ物が育ちます。一人一人が地元で採れた食料を食べる「地産地消」の取り組みが、食料自給率を上げることにもつながります。

例えば、東北地方は全国平均に比べて高い食料自給率を誇っています。秋田県は東京の約200倍の食料自給率となっています。地域の食材に需要が出れば、食料生産も活性化していくでしょう。

まとめ

本日は食料自給率の低下とその背景・対策について解説しました。

自らが住んでいる日本の食料自給率をどのようにして高めていけるか、考えてみましょう。