葉から根まで栄養豊富で美味。サラダやスープ、漬物などありとあらゆる料理に活躍する赤い根菜「ラディッシュ」。その一種は成長速度から「二十日大根」とも呼ばれています。
適切な気温さえあれば一年中育てることができます。春(3月~6月)から秋(9月~11月)にまくと育ちがよくなります。
野菜のなかでも比較的作りやすく、家庭菜園の入門としてこの上ない野菜です。手始めに二十日大根を栽培して、栄光あるあなたの家庭菜園ライフの第一歩を踏み出しましょう!!
どうして育てやすいの?二十日大根のここがすごい!
- 成長速度が速く、野菜の中でもかなり早く栽培できる
- 他の野菜と比べて特別な肥料を必要としない(あるに越したことはありませんが…)
- 病気や害虫に強く、失敗しにくい
- 株間をそれほど必要とせず、プランターなど狭いスペースでも問題なく栽培できる
- 15℃ほどの気温さえあれば一年中作れる
栽培する前に読んで!失敗する原因5つ
- 間引きが不十分
- 日当たりが悪い
- 土が浅すぎる
- (土寄せをせず)根が露出したまま育ててしまう
- 寒すぎる(発芽気温である15℃以下であるため発芽できない)
さあ、二十日大根を育てよう!
まずは土づくり
さぁ、まずは土づくりをしましょう。野菜は土が重要ですからね。…といっても二十日大根の土づくりに特別な行程は必要ありません。正直、ホームセンターに売っている土と肥料などが既にミックスされている「園芸用の土」これで十分です。
余裕があったら肥料も使ってみましょう。百均に売っているような化成肥料でもしっかりとした効果が期待できます!
一から土を作りたい人は、「油かす」と「化成肥料」を混ぜましょう。どちらもホームセンターに売っていますよ!地植えでたくさん育てたい方ならこちらのほうがリーズナブルです。
種まき ~コツは間引きを考えた植え方をすること!~
土ができたらついに種まきです!プランターに5㎝間隔で2~3粒を一か所にまき、薄く土をかけましょう。適当にばらまきしたり、大量にまくと間引きの際に非常に苦労します。間引きは栽培成功の鉄則なので、ここは丁寧にまきましょう!芽が出るまで水はたっぷりあげてくださいね。
間引き(失敗ポイント1) ~心を鬼にしてエリートを選別しましょう~
可愛い芽が出てきましたね。嬉しいですね。感動しますよね。ですが残念ながら彼らは全員二十日大根にはなれません。野菜は発育の遅いものやひ弱なものを引き抜く「間引き」という行程を踏むことによってようやく野菜として成長させることができるのです。
↑間引き後はこのような感じになります。
葉が二つのうちに、一か所にまとまって生えている2~3本の芽の中から丈夫そうで大きく育っているものを1本残し、あとは間引きしましょう。(この時、まきすぎていたり適当にまくと間引きに苦労したり、間引き不足を引き起こします。正しい種まきで効率を上げましょう!)
間引きした芽(間引き菜)も使い道がありますよ!栄養価もあり、みそ汁などの実にすると美味しくいただけます。ぜひおいしく食べてあげてください。
水やり&土寄せ(失敗ポイント2) ~こまめな土寄せを忘れずに!~
水やりは一日一回くらいで大丈夫です。少なければ枯れますし、多すぎると根腐れを起こして枯れます。(よほど水はけが悪くない限りなかなか起こりませんが…)土が乾燥していたらあげてください!
ここで大事なのが「土寄せ」。ある程度成長すると二十日大根の根元部分が赤くなるのですが、そこが土に埋まっていないと肥大しません。まわりの土を寄せて手で軽く押して固め、埋めてあげましょう。(ここが見落とされがち。他のブログ様などにも書いていないことが多いです。)
↓本場が4~5枚ほどから根の肥大が始まります。この段階を目安に土寄せを始めましょう。
根は水やりや雨などで地上に出てきてしまいます。うっかり土寄せを忘れると根は肥大せず、葉だけ育ちます。こまめに確認してみてください。間引きとこれができればもはや成功は約束されたようなものです!
収穫 ~時期を見極めて収穫しよう!~
↑収穫期になるとここまで葉が生い茂ります
順調にいけば、二十日大根は1か月ほどで収穫できます。地上に出てきた根が2㎝ほどになったら収穫の合図。葉の付け根をつかんで収穫しましょう。収穫した二十日大根は根はもちろん葉も栄養価が高く、おいしく食べることができますよ!
ちなみに、「もっと大きくなるのでは?」収穫を先延ばしにしていると「ス(根にすきまができ、スポンジ状になること)」が入ってしまうので注意しましょう。収穫すると葉は段々としぼんでいってしまうので収穫は食べる直前にすべきでしょう。
二十日大根を観察してみよう!(自由研究向け)
二十日大根は発育が速く、植物の観察として栽培しても非常に面白いですよ。以下の点を観察・調べてみましょう。真夏に育てると気温が高すぎる可能性があるため、6~7月くらいから前もって観察を始めるのがおすすめです。
- 二十日大根の子葉は何枚かな?
- 二十日大根の茎を顕微鏡で見てみよう!道管・師管はどのような配置になっているかな?
- 二十日大根の根はどんな形をしているかな?どれが主根でどれが側根かな?
- 二十日大根の葉のつき方を見てみよう!葉は重なっているかな?葉はどうしてこのように生えているのかな?
- 二十日大根の葉を洗って、生でかじってみよう!!どんな味がするかな?虫に食べられにくいのはどうしてだろう?
- 二十日大根は子葉が二枚の「双子葉類」。その他の双子葉類と同じく、茎は水の通り道である道管と養分の通り道である師管が円状に規則的に並んでおり、根は大根部分である「主根」とそこから生えている小さな根である「側根」が観察できます。
- 二十日大根などの葉は上から見るとすべて重ならないように生えているのがわかります。太陽の光を効率的に受けるための進化ですね。
- 二十日大根の葉は生食するとかなり苦く、パクチーのような味がします。細かい毛が生えており、虫に食べられないための工夫がされていることがわかります