「日本の花といえば?」と聞かれて口をそろえて「桜」と即答するのはナンセンス。日本には桜のほかにずっと昔から日本人に寄り添ってきた「梅」という植物があるではありませんか!
この記事では有名にもかかわらず桜に埋もれてしまいがちな不憫な存在「梅」について解説していきます。これを読んで、梅を見たときにサラッと語れるスマートなキャラを演じてみましょう。
(トップ画像引用元:<a href=”https://pixabay.com/ja/users/deltaworks-37465/?utm_source=link-attribution&utm_medium=referral&utm_campaign=image&utm_content=279858″>Kohji Asakawa</a>による<a href=”https://pixabay.com/ja/?utm_source=link-attribution&utm_medium=referral&utm_campaign=image&utm_content=279858″>Pixabay</a>からの画像)
梅ってどんな植物?特徴や原産地、花言葉を紹介!
梅はバラ科プルヌス(サクラ)属の植物。英名では「Japanese apricot(日本の杏)」とも呼ばれています。品種によって赤・桃・白色の花を咲かせます。強い芳香を持っているのも特徴ですね。
原産は中国湖北省と四川省。寒さに強く、2~3月に花が咲きます。花は観賞用、実は食用、枝や樹皮は染色に用いられます。切り花、庭園への直植え、盆栽を含む鉢植え
花言葉は「忠実・気品」。控えめに、かつ華やかに咲く梅にぴったりですね!
日本にはいつ来たの?梅の歴史
あくまでも一説ですが、弥生時代に朝鮮半島を経て日本に渡来したのではないかと考えられています。遣唐使が日本に持ち込んだのではないかという説もあります。
弥生時代に渡来したとすると紀元前3世紀ごろから梅が日本に存在していた可能性もあるということです。僕らが思っていたよりもずっと昔から日本人の目には梅が映っていたのかもしれませんね。
奈良時代では、梅の実を生菓子に加工して食べていたといわれています。時代を経て梅の効用が知られるようになると、梅の塩漬けが保存食、食薬品として用いられてきました。
平安時代中期には、梅の塩漬けが「梅干」として書物に現れます。鎌倉時代あたりから梅干しは保存食として重宝されるようになっていき、戦国時代では食料や傷の消毒や戦場での食中毒・伝染病の予防のために活用されたとされています。
江戸時代になると、庶民の食卓にものぼるようになりました。梅干のしそ漬けが普及し始め、梅を砂糖漬けにした甘露梅などさまざまな梅の漬け方がされるようになり、楽しみ方も様々なものに変わっていきました。
おいしく食べよう!梅の果実
梅は6~7月ごろに2~3センチメートルほどの果実を実らせます。熟していない果実には青酸が含まれており、生で食べると中毒を起こす可能性があります。熟したものを生食することもありますが、大抵は若い実を加工して食用とします。
普段からなじみ深い梅干しや梅酒はもちろん梅酢やジャム、のし梅などお菓子や梅肉煮など料理などにも広く用いられており、現代では日本の料理に欠かせないものとなっていますね。
栄養も豊富で、タンパク質やビタミン、カルシウム、カリウム、リン、鉄などのミネラルが果実の中でもかなり多く含まれています。なんとカルシウムはリンゴの4倍、鉄は6倍も多く含まれています。マグネシウムや亜鉛の量も、梅の方が勝っています。
「有機酸」と呼ばれるクエン酸やリンゴ酸、コハク酸、酒石酸も豊富で、疲労回復に効果を発揮してくれます
綺麗なだけじゃない!梅の実の効能
梅は美しいだけでなく、その実には様々な効能があります
疲労回復を促す
梅の酸味成分でもあるクエン酸やリンゴ酸などの有機酸は、糖質の代謝を促し活性化させる働きがあります。これにより栄養素をエネルギーに変換する働きをスムーズがなります。
このエネルギー代謝がうまくいかないと、栄養素の不完全燃焼が起こり、疲れや肩こりを感じたり、細胞の老化、動脈硬化、生活習慣病などの原因にもなります。
梅の実を食べることで疲労の回復を促すことができます。腰痛や肩こりなどの緩和、老化防止、疲れにくい体づくりを助けてもくれますよ!
食欲を増進させる
梅の酸味成分であるクエン酸は唾液の分泌を促して食欲を増進させるばかりでなく、胃液やその他の消化酵素の分泌を高めて消化吸収を助けてくれます。さらに、梅に微量に含まれているピクリン酸は腸の働きを活発にし、便通の改善も期待できます。
また、クエン酸には吸収率の低いカルシウムや鉄の吸収を促しカルシウムが骨から持ち出されるのを防ぐなどの働きがあるといわれており、カルシウムの吸収率を高めることができます。
栄養やカルシウムなどミネラルが必要な成長期の子どもや高齢者はぜひ梅の実を食べてほしいですね!
梅の殺菌作用 微生物の繁殖を抑え食中毒予防にも
梅に含まれているクエン酸は、殺菌・除菌効果に優れています。昔からおにぎりやお弁当に梅干を入れるのは、クエン酸の微生物の繁殖をおさえる効果を狙ったものです。
さらに、胆汁の働きを活発にし、食中毒の原因となる菌を抑制することができます。梅に十二指腸かいようの原因とされるピロリ菌の増殖を抑制する効果があることが、和歌山県立医大の研究でわかっています。
梅は、毎日の食事に取り入れることで、食中毒予防やがん予防も期待できる優秀な食品なのです。
おわりに
今回は、昔から日本になじみの深い植物である梅を紹介しました。梅に関する様々な知識が深まりましたでしょうか?
様々な所で見ることができる梅についてスマートに語ることができれば、あなたのカッコよさもぐんぐん高まっていくこと間違いなしでしょう!