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「足元を見る」の語源は?江戸時代の旅人は足元の○○を見ていた!

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物語やゲームなどで、需要が高騰したものを高い値段で売りさばこうとたくらむ悪役キャラクターなどは、もはやお馴染みの存在ですよね。

しかし、この方法はずる賢いわけではなく、実際、宿泊施設や旅行業界、免許合宿などは夏や冬のシーズンには値段を上げ、あまり人が来ないときは安くするという手段を取っていますよね。これも立派なビジネスの手法なのです。

そんなときに使われがちなのが「足元を見る」という慣用句。セールスと足元が繋がる気はしませんが、いったいどうしてこんな慣用句ができたのでしょうか?今回はそんな「足元を見る」という慣用句のなりたちを紹介します!

(引用元:https://pixabay.com/ja/photos/%E3%83%90%E3%83%AC%E3%82%A8-%E5%A5%B3%E3%81%AE%E5%AD%90-%E8%B6%B3-%E5%BA%8A-%E5%8F%8D%E5%B0%84-3898440/)

「足元を見る」の意味は?どういう時に使うの?

「足元を見る」は一般的に、相手の弱点につけこみ、たくらみを増長させるという意味をもった慣用句です。どちらかというと悪い意味で使われることが多く、卑怯な描写をされるときに使われがちですね。

「足元を見る」の例文
  • 自分本位で足元を見るような交渉をする相手とは距離を置いた方がよい。
  • こちらのリスクを全く考えていない。まるで足元を見るかのような提案だ
  • なんて割高な案件なんだ。こちらの予算が多いことを知って足元を見られたようだ
  • 経営状況が悪化している。このままだと取引先に足元を見られ、交渉が不利になるぞ。

「足元を見る」の語源は?足は口ほどにモノを言う!?

「足元を見る」の語源は、江戸時代まで存在した駕籠をかつぐ職業である「籠がき」が、旅人の足元の汚れの様子から疲れ具合を見てそれにつけこみ、高い駕籠賃を要求したことからきています。

まだ道の整理もおぼつかない時代では、足元が汚れていれば汚れているほど、その人は疲れ切っているといえますよね。足元がおぼつかないほど、あるいは汚れ切るほど疲れ切り、何が何でも駕籠に乗りたい!と思ったことでしょう。

このような人々の弱みもとい「需要」を利用して利益を得ようとするビジネスマンの知恵だったんですね!このことから「足元を見る」という言葉が、相手の弱みにつけこむという意味で使われるようになったのです。

もっと語彙力を増やそう!「足元を見る」の類義語たち

「足元を見る」にもいくつかの類義語が存在します。だいたいの意味は同じでも、状況に応じて様々な言い方ができれば、あなたの株は大きく上がりそうです!ぜひ覚えてしまいましょう!

足元へつけ込む・足元を見てつけ上がる

「足元を見る」と同じような意味の表現に、「足元へつけ込む」があります。「足元へつけ込む」は本来の日本語としては不自然ですが、「足もとを見てつけ込む」を短縮した表現だといえます。

相手の弱みを把握してつけこみ、自分に有利な結論を導くことを意味し、「足元を見る」よりも、悪意を強調した表現です。ちょっと皮肉っぽいニュアンスが見て取れますね。

「足元を見てつけ上がる」という表現もまれに使われることがあります。つけ上がるとは、弱みにつけ込む行為が増長してより無理難題を言う様子を表します。こちらも露骨に悪意のある表現ですね。

内兜を見透かす

「内兜(うちかぶと)を見透かす」とは、相手の弱点を見抜くという意味です。「内兜」とは、兜の内側に接する額の部分のことで、転じて弱点を意味して使われることの多い言葉です。

「足元を見る」のように、悪いニュアンスはありません。「内兜を見透かされないように注意する」と表現すると「足元を見られないように注意する」と同じ意味かつ違和感ない日本語の使い方ができますよ!

生き馬の目を抜く

「生き馬(生き馬)の目を抜く」とは、人を出し抜いて利益を得るという意味です。すばやく走ることができる、生きている馬の目ですら抜き取ってしまうほど素早くて油断がならないということからできた慣用句です。

弱みにつけこむというよりも抜け目がない、あるいはせちがらいという意味合いで使われます。

海千山千

世の中を渡り歩く中で経験を積み、ものの裏面まで知りぬいたしたたかな人や、そのように老獪なさまを「海千山千(うみせんやません)」といいます。

「海に千年、山に千年棲みついた蛇は竜になる」という言い伝えからできた言葉です。それだけ賢く、威厳があるという意味を持ち、「海千山千の強者」というとしたたかで抜け目がないという者を意味します。

「足元を見る」ような人は、経験豊富で相手の弱点を的確に見抜き、しかも好機を図ることのできる海千山千と揶揄されるような人物像と重なる部分があるといえるでしょう。

「足元を見る」には地位を判断するって意味があるって本当?

「足元を見れば人がわかる」という言葉があり、「履いている靴を見るとその人物のステータスや教養の深さなどがわかる」と言われることがあります。

また、ファッションの心得として身だしなみにおける靴の大切さを語る「おしゃれは足元から」というような言葉もありますよね。では「足元を見る」という慣用句には、このように足に人格が現れるという意味はあるのでしょうか?

答えはNO。似ている言葉であるがゆえに誤解されがちですが、「足元を見る」にはステータスや身だしなみのチェックとしての「靴を見る」という意味とは全く関係がありません。

知ったかぶって。間違った意味で使わないように注意が必要です!

 

ABOUT ME
見習い執事
埼玉県に住む大学生です 彼女兼お嬢を幸せにしようと日々翻弄される中でブログを執筆します