こちらの記事ではアメリカの資産家ロバート・キヨサキ著で、日本でも大ベストセラーになった金持ち父さん貧乏父さんについて紹介します。
資産形成の入門書として多くの人に影響を与えた本書。
資産形成に関心があり何から勉強していいかわからない、お金の考え方を学びたいという方にはおすすめの1冊です。
金持ち父さん貧乏父さんを生み出した「ロバート・キヨサキ」とは
はじめに金持ち父さん貧乏父さんを生み出したロバート・キヨサキという人物について解説します。
ロバート・キヨサキはアメリカのハワイで生まれた日系4世の世界的に有名な資産家です。
父親はハワイ州の教育長をされていたようです。そういったこともあり家庭は教育一家だったようです。大学はニューヨークの米国商船大学校へ進学し、卒業後は米国海兵隊に入隊し実際に戦争にも参加した軍人の経験もあります。軍人を経てビジネスの世界に参入していきました。
最初はサーファー向けの財布を立ち上げるところから起業し、そこから様々なビジネスを立ち上げ大成功し、一代で財産を築いているやり手の起業家です。
50歳手前でビジネスの世界を引退し、投資や執筆、講演活動を行っていきます。
彼を一躍有名にしたのはまさに「金持ち父さん貧乏父さん」です。
また、もう一つ有名なものとしてキャッシュフローゲームというものがあります。
これは日本で言う人生ゲームや海外のモノポリーのようなすごろくゲームで、ゲームを通じて資産の作り方を学ぶことができます。ちなみにこのゲームは日本でも発売されており時々ゲームの体験会が主催されています。大抵はビジネス絡みの勧誘目的の場合が多いのでご注意ください。
実はロバート・キヨサキはあのドナルド・トランプとも親交があり共著に「あなたに金持ちになってほしい」という書籍もあります。(トランプが大統領になるより前に出版されたものです。)
アメリカ大統領と共著しているなんてすごい人物ですね。
金持ち父さん貧乏父さんの概要
金持ち父さん貧乏父さんは、ビジネス書ではありますが書き方としてはストーリー仕立てになっています。
小説を読むような感覚で楽しみながらお金の考え方について学ぶことができるので普段ビジネス書は読まないという方にも比較的に読みやすい書籍です。
物語はある少年の視点で書かれており、少年(書籍では著者の子供の頃という設定になっていますが、あくまで本書はフィクションです)は2人の大人から人生で大切なことを学んでいくという内容です。
1人は彼の実の父親で、金持ち父さん貧乏父さんでは、貧乏父さんとして描かれています。もう一人は彼の友達の父親であり自らビジネスを起こし裕福な生活を送っている人物。物語では金持ち父さんとして主人公に様々な助言を行うのです。
金持ち父さんと貧乏父さん両方とも常識のある大人ですが、主人公に与えるアドバイスは全く真逆。最終的に少年はどちらの助言を聞き入れるのでしょうか。
本書に書いてあることは、一定のファイナンシャルリテラシーを持っている方にとっては当たり前のことではあります。しかし一般的に日本人は貧乏父さんのような考え方に基づいた教育を受けているので、衝撃を受ける方も多いと思います。実際にベストセラーになっていることを見ると、一般の人にとってはかなり新鮮な内容となるでしょう。
それでは本書の更に詳しい内容を解説していきます。
まずは、貧乏父さんの考え方についてです。
貧乏父さんは主人公にどのようなアドバイスを行うのでしょうか。
貧乏父さんの考え方
貧乏父さんは常に勤勉であること、熱心に仕事に取り組むことが人生の成功につながるということを教えます。
貧乏父さんにとっては沢山勉強をし、いい学校を卒業し、いい就職先に就職することが大切なのです。
実際に貧乏父さん自身もスタンフォード大学などの超一流大学で学んでいます。
また貧乏父さんは沢山働いて収入を得て、その分税金を沢山払い困っている人に還元することが大切なんだと説きます。
貧乏父さんは、お金の存在自体を毛嫌いしておりお金を沢山求めることは卑しいことだと考えています。
そのため家庭でも食事中にお金の話をすることは禁止されていました。
なんとなく貧乏父さんの考え方は、一般的な日本人の価値観に似ていますね。
日本でもテストでいい点をとり、いい大学に通い、いい会社に就職することで豊かな人生を送れるという考え方が根強いです。
また、お金の話をタブーにするというのもどちらかというと日本人的な考え方ですね。
次に貧乏父さんとは真逆のアドバイスをする金持ち父さんの考え方について解説していきます。本書では金持ち父さんのような考え方をすることが資産家への近道だと書かれているのでこの本で最も大切な部分です。
金持ち父さんの考え方
金持ち父さんは貧乏父さんとは対称的にお金の話は積極的にするべきだと考えています。
また、金持ち父さんは常にお金を使う時にそれが負債なのか資産になのかを見極めることが重要であるということを伝えています。
例えば、住宅を購入する際も物件を誰かに貸し家賃収入を得るのであれば資産となりますが、自分が住むことで住宅ローンを払い続けるのであれば負債になるというのです。
金持ち父さんは教育に対する考え方も貧乏父さんとは異なります。
貧乏父さんはいい大学を出て、いい会社に入るために勉強をするという考え方ですが、
金持ち父さんは勉強して会社を買うために勉強をするのだという考え方を持っているのです。
金持ち父さんは何より大切なのは自分が働かなくてもお金を生み出す仕組みを作ることが重要だと考えているのですね。
実際に著者のロバート・キヨサキも自分でビジネスを立ち上げたり、不動産投資で資産を構築しているので、まさに金持ち父さんが言うお金を生み出してくれる仕組みを作るプロだと言えます。
金持ち父さん貧乏父さんを読んだ感想
はじめてこの本を読んだときは今まで自分が学んできたことや親から言われていたことと全く真逆の考え方だったので非常に驚き高揚しました。
それまではいい会社に入って高い給料を得ることが人生の成功だと信じていましたが、それではいわゆるラットレース※から抜け出せないということを知り衝撃を受けたのを覚えています。
※ラットレースとはネズミが回し車の中でぐるぐる回っている様子を例えたもので、ねずみのように一生懸命働いても一向に前に進めないという状態のことを表しています。
本書は物語形式で展開されているため、小説を読むようにお金についての考え方を学ぶことができるので、資産形成の入門書としては非常に良い書籍だと思います。
一方で実践的なことはあまり書かれておらず、お金に対する考え方が中心の本なので具体的に何をすれば資産を構築できるのかということについて知りたい人には少し物足りないかもしれません。
口コミでも書かれていますが、どちらかというと自己啓発書の部類に入るのでこれを読んだからといって何かが大きく変わるものではないでしょう。ただ、資産を築いていくための考え方は学ぶことができるので、大学生や社会人なりたての若い人は入門書として読んでみるのはおすすめです。
金持ち父さん貧乏父さんシリーズについて
金持ち父さん貧乏父さんはシリーズで発売されており、シリーズ全体で国内400万部、世界では累計4000万部が発行され多くの方に親しまれています。
その中でも金持ち父さん貧乏父さんキャッシュフロー・クワドラントもおすすめです。
キャッシュフロー・クワドラントでは自営業、従業員、ビジネスオーナー、投資家といった4つの生き方とそれぞれの価値観について解説がされています。
自分がどのクワドラントに存在しており、最終的にどこにいくのが良いのかということを学ぶことができるのです。
「金持ち父さん貧乏父さん」より具体的に資産形成の考え方が学べる内容になっています。
金持ち父さん貧乏父さんを使った勧誘に注意
この金持ち父さん貧乏父さんですが、なぜかビジネスの勧誘にしばしば用いられます。
特にアムウェイやニュースキンといった有名なネットワークビジネスの勧誘を受ける際、導入としてかなりの確率でこの本を勧められます。
どのような経緯でネットワークビジネスの勧誘に金持ち父さん貧乏父さんが使われるようになったのかは不明ですが、おそらく本書のビジネスオーナーになるということとネットワークビジネスで成功するということがマッチしており、興味づけとして使いやすいのだと思います。
おもむろに知り合いから金持ち父さん貧乏父さんの話をされたときはネットワークビジネスに誘われると思った方が良いでしょう。
実際に金持ち父さん貧乏父さんシリーズでネットワークビジネスに特化した内容の書籍も出版されています。しかし彼自身ネットワークビジネスに取り組んだ経歴はなく、おそらくそういった本を出版すればネットワークビジネスに関係している人が大勢購入するだろうという戦略ではないかと推察されます。
金持ち父さん貧乏父さんは読むべき?
結論から言うと本当にファイナンシャルリテラシーがなくお金の考え方を1から学びたいという方は読んでもよいかもしれませんが、あくまで自己啓発書としての側面が強いので、具体的なノウハウを知りたい方には不向きです。
また、本書は改訂版が出版されているものの既に発売から何年も経っています。
元々アメリカで出版された本なので文化や考え方もアメリカよりであるため、違和感がある部分も多いと思います。
とは言うものの「負債」と「資産」の考え方やセールスやマーケティングが大切であるという考え方など今でも非常に参考になることも書かれているので、資産形成の入門書として読んでみるのはおすすめです。