「ボーナスなし」という会社が一定数存在します。特に昨今の景気の悪化によって、ボーナスが出ない会社が増える可能性は大いにあります。もしも会社からボーナス支給されない、もしくは支給されなくなった場合、その会社を辞めるべきでしょうか?
また、もし辞めると決断した場合、どのように行動すればよいのでしょうか。過去にメンタルを壊し、社会復帰を目指す際に様々な方法を考えた私の経験も交えてご紹介します。
(トップ画像出典:https://pixabay.com/ja/photos/%E3%81%8A%E9%87%91-%E9%87%91%E3%82%BF%E3%83%AF%E3%83%BC-%E3%82%B3%E3%82%A4%E3%83%B3-%E3%83%A6%E3%83%BC%E3%83%AD-2180330/)
ボーナスなしの会社はどれくらい存在するのか
下記の参考記事によりますと、厚生労働省の発表では、平成29年度の夏季年度末ボーナスを支給する事業所の割合はともに全事業所数の90%程度になります。
・平成29年夏季賞与
平均支給率:90.1%
平均支給額:421,718円
(30人以上の企業のみ)
従業員数 支給事業所数割合 平均賞与額 500人以上 97.0% 631,353円 100~499人 93.9% 420,437円 30~99人 89.2% 326,080円 5~29人 64.5% 267,386円 ・平成29年度末賞与
平均支給率:91.9%
平均支給額:438,359円
(30人以上の企業のみ)
従業員数 支給事業所数割合 平均賞与額 500人以上 97.8% 643,406円 100~499人 94.9% 437,449円 30~99人 91.1% 345,843円 5~29人 67.5% 280,221円 出典先:https://sukoshiten.com/bonus-denai/
よってボーナスなしの事業所は全事業所のうちの10%前後となりますが、従業員数によってその比率は異なります。
従業員数が500人以上の事業所では該当事業所数うち97%、従業員数100人~499人の事業所では93%、30人~99人の事業所で89%以上の事業所で夏季・年度末ともにボーナスが支給されています。
ところが従業員数が5~29人の事業所に限定しますと、ボーナス支給率は全事業所数のうち夏季で64.5%、冬季で67.5%と、30人以上の事業所と比較して圧倒的に低い数値となっているのが分かりますね。
さらに昨今の経済事情から、今後ボーナスが出ない会社は増加すると考えられるため、30人以上従業員がいる会社でもボーナスを貰えない可能性が出てくることが予想できます。
ボーナスなしの会社に勤めることによる労働者の悩み
では実際にボーナスなしの会社に勤めている人たちは、どのような悩みを抱えているのでしょうか。主な悩みは下記の3点となります。
貯金が出来ないことによる将来への不安
そもそもボーナスなしの会社だと年収が世間一般より低い傾向が見られます。高齢化社会により将来的に年金が保証されるわけではなく、「2000万円の貯金が老後のため必要」とも言われています。
しかし、給与だけでは生活費に消えてしまい貯金まで回す余裕がないことから、不安な気持ちにも当然なるでしょう。
ローン返済に関する不安
こちらは、以前はボーナスがあったのに突然なくなった方に限られますが、マイカーやマイホームの購入でローンを組む際に、ボーナス払いを使用している方も多いのではないでしょうか。
ボーナスがなくなるとボーナス払い分を貯金から崩さなければならず、場合によっては支払いができなくなる可能性もあります。
周囲と比較し感じる劣等感と、仕事に対するモチベーションの低下
親や親戚がボーナスをもらっていたり、友人と遊びに行っていたりすると、ボーナスが貰えないこと自体に悲しみを感じます。
特に昨今ではSNSで友人の近況を気軽に見ることができるため、ボーナスで好きな物を買っていたり、旅行に行っていたりする投稿を見て劣等感も感じますよね。
また、ボーナスがもらえないことで、頑張っても収入が上がらない、報われないという不満から、仕事に対するモチベーションも低くなってしまうでしょう。
いずれもネガティブな感情であり、お金に対する余裕のなさから精神的に不安定になるだけでなく、最悪の場合は精神疾患を患う危険性があります。
そもそもボーナスなし=違法ではないのか
結論から言いますと、法的義務上では企業側が従業員にボーナスを支給しないことは、違法ではありません。しかし、違法が認められるケースもあります。
それは「求人広告では賞与ありと記載されているが、実際は支払いされていない」など、求人広告や就業規則と差異が生じている場合です。
企業の求人広告・就業規則では、巧みな言葉を使って騙しているケースもありますので、いま一度、確認してみてください。ご自身では判断がつかない場合は、労働基準監督署へ相談することをお勧めします。
ボーナスなしの会社に見られる特徴(例外あり)
次にボーナスが出ない会社の特徴を見ていきましょう。ボーナスが出ない会社に見られる特徴は、以下のどちらかあるいは両方のケースが多いです。
- 会社の経営自体が傾いている
- 従業員を大切にしていない
(1)の場合は景気感などの経済事情も絡んでくるのため致し方ない部分もありますが、問題なのは(2)の場合です。
特に役員や社長が会社の利益でぜいたくな生活をしているにも関わらず、従業員に頑張りを還元しない会社は間違いなくブラックだと考えていいでしょう。
ただし、例外は1つだけあります。それは「年俸制」の場合です。年俸制は年収を単に12分割して給料が支払われているため、ボーナスはないが毎月の月収が高い傾向にあります。年俸制ではないかどうか、一度求人広告や就業規則を確認してみてください。
ボーナスなしの会社は辞めるべきか
前章で述べた年俸制であったり、よほど仕事内容や会社自体に魅力を感じていたりする場合を除くと、ボーナスなしの会社は辞めるべきだと私は考えます。理由としては、劣悪な労働環境に身を犠牲にしてまで働く必要はないからです。
加えて、劣悪な労働環境な企業のうちの大半は「会社側が従業員を大切にする気持ちが欠けている」可能性が高いです。
ボーナスの有無から少し話が逸れますが、そもそもどんな仕事をするにしても身体が一番の資本です。劣悪な労働環境で身体を壊してしまう前に、全力で逃げることも大切です。
次章からは、実際に辞めると決断した時の行動を3つ紹介していきます。
辞めると決めたときの行動① 転職する
一番最初に思い浮かぶ行動としてはやはり転職でしょう。ボーナスなしが転職理由になるのか?という声も挙がりそうですが、十分立派な転職理由になります。
そして転職をする際にお勧めしたいのは転職エージェントへの登録です。登録するとカウンセリング、求人紹介はもちろんのこと、履歴書や職務経歴書の添削や面接対策まで無料で行ってくれます。
また、企業が転職エージェントに求人を出す際にお金を支払っているので、ブラック企業に当たる可能性は別の方法と比べると低いです。
会社を辞めるのが難しい場合には退職代行サービスなどを利用すると良いでしょう。会社の人たちと一切顔を合わせず、スムーズに退職することができます。
辞めると決めたときの行動② 個人で稼ぐ
昨今、特に新型コロナウイルスの流行に伴い、在宅での仕事や副業が一般的になってきました。今の仕事で培った技術だけでなく趣味や特技など何かしらのスキルを持っている場合、個人で稼ぐのも1つの立派な方法です。
最近では「クラウドワークス」や「ココナラ」などのサイトを使って自分の特技を活かした働き方もできますし、プログラマーやライター、Youtuberなど、個人で稼ぐ手法は昔に比べてだいぶ広がりました。
と言っても最初は個人で稼いでいく方法が分からないかと思います。美容師になるために専門学校へと通うのと同じで、何か副業を始めるなら最初はスクールなどに通って稼ぐスキルを身に付けましょう。
辞めると決めたときの行動③ 資格を取得し、仕事の幅を広げる
辞めると決めたら資格を取得し他の人と差をつけることで、仕事の幅を広げるという方法もあります。自分のキャリアや専攻に合わせて資格を取得することで、転職する際の武器となり、有利に転職活動を進めることもできます。
また、公認会計士などのいわゆる難関資格を取得するのも良いでしょう。莫大な勉強時間を要しますが、取得すると転職で強力な武器になることに加え、独立開業して個人で稼ぐこともできるため仕事の幅もより広がります。
何事も挑戦するのに年齢は関係ありません。自分の新たな可能性を見つけてみましょう。
最後に
いかがでしたか?勤めている会社からボーナスが出ない…。ともし悩んでいる場合は他にも選択肢があるということを忘れてはいけません。
あなたが疑問に感じたことは決して間違いではなく、従業員を大切にしない会社にずっと居続ける必要もないのです。
この記事を読んでくれたあなたの人生が少しでも豊かになることを陰ながら見守っております。